株式会社セールスエンジ

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冷却塔トラブル改善プロ

知っておくべき冷却塔スケールの種類とその対策

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)や熱交換器などに発生するスケール障害について詳しくお話しします。スケールとは、水中に含まれる成分が結晶化して設備に付着する現象で、これが進行すると設備の性能低下や故障の原因となります。製造工場で冷却塔の管理を担当されている方々には、特に知っておいていただきたい内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

スケールの種類と発生原因

カルシウムスケールとは?

カルシウムスケールは、冷却水の過剰な濃縮によって炭酸カルシウムが結晶化し、設備に付着する現象です。これは最も一般的なスケールで、特に冷却塔ではよく見られます。カルシウムスケールが付着すると、熱交換効率が低下し、最終的には設備の故障に繋がることがあります。

シリカ系スケールの種類

シリカ系スケールは、シリカと他の元素が結合して生成されるもので、種類ごとに異なる特徴を持ちます。以下に代表的なシリカ系スケールを紹介します。

  • ケイ酸マグネシウムスケール:シリカとマグネシウムが結合して形成されるスケールです。高温箇所では析出しやすいです。
  • ケイ酸亜鉛スケール:シリカと亜鉛が結合してできるスケールで、亜鉛は主に配管の材質から溶け出します。
  • ケイ酸アルミニウムスケール:シリカとアルミニウムが結合して生成される非常に硬いスケールで、凝集剤の残留物が原因とされています。

これらのスケールが付着すると、冷却水の流量低下や設備全体の熱効率が大幅に低下する恐れがあります。

スケール防止の重要性

水中の成分は地域や冷却塔の使用条件によって異なるため、スケールの発生も様々です。スケールの発生を防ぐためには、適切な水質管理が不可欠です。たとえば、これらのスケール障害をすべて解消するには純水装置を導入することでスケールの発生を抑えることが可能ですが、現実的には高度な水処理が難しいケースも多いです。そのため、日常的な水質管理や適切な水処理薬品の使用が、スケール防止の鍵となります。

技術的対応策

スケール障害に対する技術的なソリューションも多く存在しますが、問題を抱えている方は、専門家に相談することを強くお勧めします。技術的な対応には、スケールの種類や発生状況に応じた最適な処置が必要です。

動画で解説

YouTubeの動画では、スケールの種類や発生原因、そしてその防止策について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

スケール障害は、冷却塔や熱交換器の性能を大きく左右する重要な課題です。特に、カルシウムスケールやシリカ系スケールは、適切な水質管理と技術的な対応策によって予防が可能です。製造工場などの設備担当者の皆様には、日々の運転管理の中で、スケール対策をしっかりと行うことをお勧めします。

ご一読くださりありがとうございました。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
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