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冷却水ピット給水システムの違いとトラブルを防ぐポイントを解説!

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)に併設された「冷却水ピット」の給水システムについてお話しします。工場の設備担当者の方で、冷却塔やその給水システムについて詳しく知らない方も多いと思いますが、この管理が疎かになると大きなトラブルに発展する可能性があります。この記事では、ボールタップ式と電極式の違い、給水システムの特徴、さらにはトラブル防止のための解決策まで詳しく解説します。

冷却水ピットの役割とは?

冷却塔にピットが併設されている場合、このピットは一時的な貯水槽の役割を果たし、冷却水の蒸発による水位低下を補うための補給水を貯めるために使用されます。冷却塔自体の水位ではなく、このピットの水位を基準にして給水が行われることが重要なポイントです。

給水システムの仕組み:ボールタップ式と電極式

ボールタップ式の特徴

ピット内の水位が下がると、ボールタップのボールが沈み、それに伴ってバルブが開き、水が自動的に補充されます。これはピット内の水位に対応するもので、冷却塔自体の水位ではありません。冷却塔内の水の蒸発によってピットの水位が変動し、それに応じて給水が行われます。

電極式の特徴

この方式では、電極を用いてピット内の水位を監視します。水位が一定レベルまで低下した場合にのみ給水が開始されるため、ボールタップ式とは異なり、連続的な補充ではなく、ある程度の水位低下を待ってからの給水となります。

冷却水ピットの管理で避けたいトラブル

濃縮現象による水質悪化

冷却塔の水は蒸発によって水中のミネラル成分(カルシウム、マグネシウムなど)が濃縮される傾向があります。ピットが併設されている場合でも、この濃縮は発生します。特に、電極式では水が一気に補充されるため、濃縮された水と新たな水が混ざる際、水質の変化が激しくなる可能性があります。

給水システムの故障リスク

給水システムが故障すると、冷却塔全体に影響が出るため注意が必要です。ボールタップ式は構造がシンプルで部品交換も容易ですが、機械的な部分の故障が起こりやすい点があります。一方、電極式は誤作動やバルブの故障などが原因で水位が適切に管理できない場合があります。これらの故障を防ぐためにも、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

ダブルのシステムで給水管理を安定させる

冷却塔の給水管理をより安定させる方法として、ボールタップ式と電極式の両方を併用するダブルシステムがあります。通常はボールタップ式で細かく水位を調整し、急激な水位低下時には電極式でバックアップ給水を行うことで、安定した給水を維持できます。このシステムを導入することで、冷却塔の効率を保ちながらトラブルを防ぐことが可能です。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却水ピットの役割や、ボールタップ式と電極式の給水システムの違いについて詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

冷却塔に併設されたピットの給水システムは、冷却水の安定した供給を維持するために非常に重要です。ボールタップ式と電極式の特徴を理解し、それぞれのメリットを生かした運用が、トラブルを防ぐための鍵となります。定期的な点検とメンテナンスも忘れずに行い、冷却塔の効率的な運用を維持しましょう。

ご一読くださりありがとうございました。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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