冷却水流量低下における「ストレーナーの目詰まり点検方法」〜効率的なメンテナンスでトラブル回避〜
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔における冷却水の循環系統で重要な役割を果たす「ストレーナーの目詰まり点検方法」について解説します。冷却塔に関連した水質トラブルや詰まりの原因と、効率的な点検・メンテナンス方法をお伝えします。
冷却塔の管理やメンテナンスを担当しているが、具体的な点検方法がわからない方に向けて、わかりやすく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
ストレーナーの役割と目詰まりの確認方法
冷却水システムには、異物を除去し水質を維持するためのフィルター「ストレーナー」が設置されています。ストレーナーは水中のゴミやスケール(付着物)などを取り除き、冷却水が汚れるのを防ぐ重要な役割を担っています。しかし、ストレーナーは外見から目詰まりの状態を確認できないため、前後の圧力差を測定して詰まりの有無を判断する方法が一般的です。
圧力差による詰まりの判断方法
ストレーナーの詰まりを確認するには、ストレーナーの入口と出口に圧力計を設置し、その圧力差を観察することが有効です。通常、ストレーナーが正常に作動している場合、入口と出口の圧力は安定した状態にありますが、目詰まりが発生すると入口の圧力が上昇し、出口の圧力が低下する現象が見られます。このように、圧力差の変化を監視することで、ストレーナーを開けずに目詰まりの有無を判断することができます。
圧力確認の具体例
たとえば、通常の状態で入口圧力が0.4Mpa、出口圧力も同様の0.4Mpaであるとします。しかし、目詰まりが発生すると入口圧力は0.6Mpaに上昇し、出口圧力は0.1Mpaに低下します。この圧力の変化によって冷却水の流れが阻害され、設備が過熱するリスクが生じます。そのため、日頃から圧力差を確認し、目詰まりをいち早く検知することが冷却水システムの安定稼働には欠かせません。
効率的なメンテナンス方法の提案
もし、ストレーナーが頻繁に目詰まりを起こす場合、圧力差を監視しながらのメンテナンスを取り入れることで、清掃の頻度を抑えることができます。特に、異物の繁殖やスケールが原因で詰まりが生じやすい環境では、この方法を活用することで点検の効率が大幅に向上し、定期的な清掃の手間も削減できます。
動画で解説
YouTubeの動画では、冷却水システムのストレーナー目詰まりの点検方法について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。
まとめ
冷却塔の冷却水システムにおけるストレーナーの役割と詰まりの確認方法について解説しました。ストレーナーの詰まりは冷却水の流れに影響を与え、最悪の場合、設備の過熱やトラブルにつながる可能性があります。適切な圧力差の監視を通じて目詰まりを早期発見し、効果的なメンテナンスでシステムの安定稼働を目指しましょう。
ご一読くださりありがとうございました。