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ストレーナーの目詰まりとなる原因とその対策

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)の冷却水系統でよく起こる「ストレーナーの詰まり」について解説します。冷却水を効率よく循環させるための重要な部品であるストレーナーですが、ゴミや汚れの蓄積で詰まってしまうと清掃が頻繁になり、運用にも影響を及ぼします。本記事では、その目詰まりとなる原因と解決策について詳しく説明します。

ストレーナー詰まりの主な原因

冷却システムに使用されるストレーナーは、冷却水中のゴミや異物を捕捉し、システムを保護する役割を果たします。しかし、以下のような要因により詰まりやすくなります:

1. 藻の繁殖

冷却水内で藻が繁殖し、ストレーナーに蓄積してしまうことが多く見られます。藻は微細な水中生物や日光に反応して増殖するため、特に屋外の冷却システムで頻繁に発生します。

2. 錆の付着

配管内部の錆が剥がれてストレーナーに詰まることも、詰まりの原因の一つです。配管が古くなると錆が発生しやすくなり、それが冷却水を通してストレーナーに流れ込むことで詰まりを引き起こします。

3. スケールの堆積

冷却水中に含まれるカルシウムやマグネシウム、シリカなどが結晶化し、ストレーナーに付着します。これを「スケール」と呼びますが、硬水の地域や高温環境では特にスケールが発生しやすく、取り除くためには専門的な処置が必要です。

ストレーナー詰まりの原因特定と対応方法

ストレーナーの詰まりを解消するには、まず原因を明らかにすることが重要です。原因ごとに対策が異なるため、以下の手順で原因を特定し、適切な対策を検討します。

成分分析による原因の特定

成分分析を行い、ストレーナーに蓄積した物質の成分を調べます。藻や錆、スケールのどれが原因となっているかを把握し、該当する対策を取ることで再発防止が可能です。

再発防止のための水質改善

ストレーナーの詰まりを単に解消するだけではなく、再発防止のために冷却水の水質を改善することが重要です。水質を適切に保つことで、詰まりの頻度を減らし、メンテナンスの負担も軽減できます。

冷却水システムの3大障害とその影響

冷却水システムで発生しやすい主な障害には、藻の繁殖、錆、スケールがあります。これらが冷却水の流れを妨げ、最悪の場合、設備の緊急停止を引き起こすこともあります。そのため、根本原因を特定し、長期的な視点での水質管理がシステムの安定運用に不可欠です。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却設備のストレーナー詰まりについて詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

冷却システムにおけるストレーナーの詰まりは、単純なゴミ問題ではなく、藻、錆、スケールといった複数の要因が関与しています。詰まりの原因に応じた対策を行うことはもちろん、水質改善や定期的なメンテナンスを通じて再発を防ぐことが大切です。詰まりが続く場合は、専門家への相談を検討することをお勧めします。

ご一読くださりありがとうございました。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
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