冷却水スケール防止装置の導入を検討する際の注意点とは?
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却水のスケール防止装置を導入する際の注意点についてお話しします。
冷却塔のスケールは、冷却効率を低下させるだけでなく、設備の寿命を縮める大きな原因になります。そのため、スケール防止装置を導入する企業も増えていますが、慎重な判断が必要です。それでは、具体的な注意点を見ていきましょう。
冷却水スケール防止装置の仕組みと効果
スケール防止装置は、冷却塔内で発生するスケール(炭酸カルシウムやシリカの堆積物)を防ぐための装置です。以下のような仕組みが一般的です:
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電解処理
銀イオンや銅イオンを発生させ、水中の細菌やスケール形成物質を抑制します。
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磁気処理
磁場を利用してスケール形成を抑える方法。
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フィルター式
固形物やスケールの元となる物質を物理的に除去します。
これらの装置は、薬剤を使用しない「ノンケミカル管理」を目指すもので、環境負荷を軽減する点で注目されています。
スケール防止装置導入時の注意点
1. 初期投資とランニングコストの確認
スケール防止装置の導入には高額な初期投資が必要な場合があります。また、以下のランニングコストを見落としがちです:
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定期的な部品交換費用
年間数十万円の費用が発生するケースがあります。 -
水質管理費用
装置を最大限に活用するためには、専門業者による定期的な水質分析が必要です。
2. 導入前に水質の現状を把握する
導入する装置の効果を発揮するためには、現在の冷却水の水質状態を正確に把握することが重要です。
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水の硬度やpH値の測定
水質に合わない装置を導入しても、期待した効果が得られない場合があります。 -
スケールの発生原因の特定
スケールの形成要因(カルシウム濃度、温度、運転条件など)を分析し、装置が適切かを判断します。
3. 装置単体では解決できない場合もある
スケール防止装置を設置するだけでは、全ての課題が解決するわけではありません。
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装置の性能は使用条件に依存
冷却水の流量や温度、装置の設置場所など、使用条件が適切でないと効果が半減します。 -
季節や運転状況による水質の変化
夏場の高温時や冬場の低負荷運転時には、異なる水質管理が必要です。
4. 信頼できる業者選び
スケール防止装置を選ぶ際には、メーカーや販売業者の信頼性も重要です。
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サポート体制の確認
装置導入後のアフターサービスやメンテナンスの体制が整っているかを確認しましょう。 -
デモ機やテスト利用の有無
実際に効果を確認できるデモ機や試験導入の機会を提供している業者を選ぶと安心です。
動画で解説
YouTubeでは、「スケール防止装置を導入する際の重要なポイント」について詳しく解説しています。導入前に確認すべきポイントや、現場での具体的な事例も紹介していますので、ぜひご視聴ください!
まとめ
スケール防止装置は、適切に導入すれば冷却水の品質を大きく向上させることができます。しかし、初期投資やランニングコスト、水質の現状把握、そして装置単体での限界を理解することが重要です。装置に頼るだけでなく、定期的な水質管理を併せて行うことで、より高い効果を得ることができます。
冷却水管理についてお悩みの際は、ぜひ株式会社セールスエンジまでご相談ください!お客様の現場に合った最適な解決策をご提案します。
ご一読くださりありがとうございました。