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Vol.60 冷却塔ファンから異音?ベアリングとモーターの同時メンテナンスでトラブル回避!

こんにちは、今回は「冷却塔のファンから異音がしている」とご相談いただいた事例をご紹介します。

夏場に急なトラブルが起きてしまうと冷却ができず、生産に大きな影響が出ることもあります。そうなる前に、事前にしっかり対策しておきたいところですね。

お客様のお困り事

冷却塔(クーリングタワー)のファンから異音がしているため、整備のご相談をいただきました。

「夏場、急にトラブルが起きて冷却できなくなると困るので、できるだけ早く対応してほしい」とのことで、急ぎ対応させていただきました。

点検を行ったところ、ファンの軸受け部分から異音が出ており、分解してみるとベアリングにガタつきが見られました。

このような症状の主な原因として、

  • グリス切れによるベアリングの摩耗

  • 湿気や冷却水の影響による錆の発生

が挙げられます。

ベアリングは回転を支える大切な部品なので、定期的な交換が必要になります。

メーカー推奨ベアリング交換の時期

一般的に、冷却塔メーカーが推奨しているベアリングの交換時期は、20,000時間、または約2年ごととされています。

もし運転中にベアリングが破損してしまうと、交換部品の手配から修理完了まで数日以上かかることも珍しくありません。

ですので、計画的な交換が安心です。

トラブル改善のご提案

というのも、ベアリングを取り外す際にシャフトが錆びていると、固着して外れないことがよくあります。無理に外そうとすると他の部品を痛めてしまう可能性もありますので、作業をスムーズに行うためにもユニット一式での交換をおすすめしています。

また、冷却塔を停止させるタイミングで、モーターのベアリング交換も同時に行いました。こちらもメーカー推奨は20,000時間、または2年ごとの交換です。

モーターが古い場合は、IE3高効率モーターへの切り替えも

特にIE3以前のモーターは、部品の在庫が少なくなってきており、万が一の際に修理できないケースもあります。

その場合には、IE3高効率モーターへの載せ替えも検討のひとつです。消費電力の削減にもつながりますので、長い目で見てメリットは大きいです。

まとめ

冷却ファンのベアリングは、水気の多い場所で使われるため、錆びたり腐食したりしやすい部品です。

実際、軸受けだけでなく、シャフトごと傷んでいるケースも多く見られます。

ですので、ベアリング単体ではなく、軸受ユニットごとの交換がおすすめです。

さらに、ファン軸受の整備とあわせて、モーターのベアリングも同時に点検・交換することで、トラブルの予防につながります。

冷却塔のトラブルは「壊れてから」では遅いことが多いので、定期的なメンテナンスをぜひご検討ください。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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