Vol.15 角形冷却塔(クーリングタワー)の充填材を復活!スケール清掃で冷却効率が激的改善
角形冷却塔(クーリングタワー)の充填材復活スケール清掃
こんにちは、今回は「冷却塔の水温が高い…」とお困りだったお客様の事例をご紹介します。
長年清掃されていなかった角形冷却塔で、充填材にスケールがびっしりと付着し目詰まりが発生。冷却効率が大きく低下していたため、充填材スケールを除去し復活させた清掃内容になります。
メーカー:三菱 角形開放式冷却塔 HT-500ME-Ri
夏に向けて冷却水の温度上昇を抑えたいとのことで現場を確認すると、長年清掃がされておらず、しかも冷却水が過剰濃縮の状態。
この状態では、スケール(水垢やシリカ成分)が析出しやすく、充填材に堆積して目詰まりを起こしてしまいます。目詰まりすると、風の通りが悪くなり、冷却塔の本来の性能が発揮できません。

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ケレン作業でスケールを徹底除去
付着していたのは、カルシウムやシリカを中心とした硬いスケール。電動ケレンで、スケールを物理的に砕いて除去していきます。

そして重要なのが、砕いたスケールの回収作業です。そのままにしておくと、運転時に配管へ流れ込み、配管詰まりや熱交換器のトラブルに繋がります。当社では、掃除機を使ってスケールの屑を回収しています。動画は、その様子です。
充填材
充填材に詰まっていたスケールを取り除き、通気性がしっかり回復しました。
BEFORE

AFTER

冷却塔の内部も高圧洗浄でキレイに
冷却塔の下部や内部にも、汚れが堆積していましたが、高圧洗浄機で隅々まで洗浄。しっかり落としました。
BEFORE

AFTER

充填材内部の高圧洗浄
充填材の内部には、意外にもスケールの付着が少なく、こちらは高圧洗浄だけでスムーズに清掃が完了しました。動画は、高圧洗浄機で充填材を洗い流している様子です。
散水槽の目詰まりも改善、散水不良が冷却能力低下の一因に
充填材に水を均等に流すための散水槽。ここも確認すると、散水穴が半分ほど目詰まりしていました。散水不良になると、充填材全体に水が行き渡らず、結果として冷却効率が下がります。こちらも目詰まりを除去し、散水状態を回復させました。
BEFORE

AFTER

回収したスケール屑と汚泥
充填材に付着していたスケール屑や堆積していた汚泥などは、土のう袋にすべて回収しました。

詳しい清掃手順については、以下の動画をご参照ください。
まとめ
冷却塔は、外気の塵や埃、水の濃縮によって、知らず知らずのうちにスケールが堆積していきます。
特に充填材の目詰まりは冷却性能に直結する大きな要因です。
スケールが固着してしまうと冷却能力が低下し、結果として電気代や設備の稼働率にも影響が出てしまいます。ひどく汚れてしまった場合、充填材の交換という選択肢もありますが、これは非常に高額な修繕費がかかります。そこで、スケール清掃による「充填材の復活」が、コストを抑えつつ冷却効率を回復できる現実的な選択肢となります。
スケールが固まりきってしまう前に、年に1回の定期清掃をおすすめします。
当社では、冷却塔の清掃だけでなく、水質管理やトラブル改善のご提案までワンストップで対応しています。
「冷却水の温度が下がらない」「スケールが気になる」など、どんな小さなことでも構いません。お気軽にご相談ください。
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