株式会社セールスエンジ

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スケールが付きやすい場所はどこ?熱交換器の出口側や配管の曲がり部に注意!

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。

今回は「スケールが付きやすい場所とその理由」についてお話しします。

冷却水系でよくあるお悩みのひとつに「スケールによる冷却効率の低下」があります。
でも、実際にどこにスケールが付きやすいかご存知でしょうか?

今回は、私たちが現場で見てきた経験をもとに、特にスケールが溜まりやすい“注意ポイント”を分かりやすく解説します。

スケールが付きやすい場所とは?

熱交換器の「伝熱面」と「出口側」

スケールの影響が最も大きいのが熱交換器の伝熱面です。ここにスケールが付くと、熱の移動がうまくいかず、冷却性能が一気に落ちてしまいます。

さらに、熱交換器や設備の「出口側」も要注意です。冷却水は熱を奪ったあと、出口に近づくほど水温が高くなります。この高温環境が、スケールの析出をより進めてしまうんですね。

だから、「熱交換器の中を洗浄したのに効きが悪い…」というときは、出口側の配管内部もぜひチェックしてみてください。

配管の曲がり角・狭い部分

次に多いのが、配管の曲がり角や絞られた部分
流れが変化する場所では、水に含まれるミネラル分が壁にくっつきやすく、スケールがたまりやすいんです。

スケールが蓄積すると、徐々に流量が落ちて、冷却効率もガクンと落ちてしまいます。目視では確認しにくい場所ですが、圧力計を使い差圧で見る定期的な点検がとても重要です。

よくあるご相談:「配管洗浄してほしい」

現場でよく聞くのが、「流れが悪いから配管を洗ってください」というご相談。

でも、私たちがよくご説明しているのは「まず熱交換器から洗いましょう」ということです。

というのも、実際にスケールが付きやすいのは温度が高い場所。

つまり熱交換器内部や出口配管が主で、配管全体に大量のスケールがつくことは稀なんです。

また、鉄製の配管だと、スケールではなく“錆”がはがれて詰まりを起こすリスクもあります。そうなると、逆にトラブルを引き起こしかねません。

ですので、私たちはまず

  • 熱交換器の洗浄で効果が出るかを確認

  • 改善しない場合に限って配管洗浄を検討

というステップをおすすめしています。

なぜスケールは発生するの?

スケールは、冷却水中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が結晶化することで発生します。

  • 水が濃縮している

  • 水温が高くなる

  • 流れがよどむ場所がある

こうした条件がそろうと、スケールが付きやすくなります。

スケールを防ぐには?

✅ 水質管理を徹底しましょう

  • 濃縮防止のためのブローダウン

  • スケール防止剤の適切な添加

これが基本です。

✅ 定期点検・清掃の実施

  • 熱交換器の伝熱面

  • 出口側の配管

  • 曲がり角や絞られた配管

こういった場所を中心に、定期的なチェックと清掃を行いましょう。

スケール洗浄については、こちらのブログをご覧ください。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却水系でスケールが付きやすい箇所について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

スケールが付きやすいのは…

  • 熱交換器の伝熱面

  • 出口側の高温配管

  • 配管の曲がり角や狭い部分

とくに温度や流速が変化する場所が要注意です。

冷却水の流れが悪いからといって、すぐに配管を洗浄するのではなく、
まずは熱交換器の洗浄から始めることが、設備を守る上でも効果的です。

水質管理と定期点検をしっかり行い、スケール障害を未然に防ぎましょう!

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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