株式会社セールスエンジ

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Vol.63 密閉式冷却塔の凍結破損、まさかの10円玉で応急対応!

冬の寒さで凍結した密閉式冷却塔(クーリングタワー)の銅チューブ破損。そんなトラブルを、ローコストで応急対応した現場の事例をご紹介します。

現場に向かって確認すると、銅チューブが10本以上裂しており、全体の1/4ほどから水が漏れている状態でした。

原因は“冬季の凍結”

しばらく使われていなかったことで冷却水が凍結。膨張によって銅チューブが破損していました。

冷却塔を冬に止めるなら、水を抜くか循環させるか。これを怠ると、凍結破損は避けられません。

応急装置の提案

お客様から「多少能力が下がってもいいので、早く動かしたい」との要望を受け、今回は破損チューブをメクラで塞ぐ応急対応を提案しました。

実際、空研工業製や三菱ケミカル製の冷却塔では、こうした対応が可能です。交換となると、マニホールドから銅チューブ全体を外す必要があり、かなりの手間とコストがかかります。

銅チューブを10円玉で塞ぐ方法

作業の手順は以下の通りです。

1)銅チューブとマニホールド管を接続している袋ナットを緩めて、銅管を取り外す

2)銅管とマニホールド管の間に、10円玉を1枚挟む

3)マニホールド側にユニオン用の1/4(8A)ガスケットを忘れずに装着

4)ナットを締めて接続

たったこれだけで、見事に水漏れが止まりました。外見からは補修個所もわかりません。

まとめ

密閉式冷却塔は、冬の運転停止時に、凍結対策を怠ると高額な修理に発展しかねません。今回は、応急対応でしたが、現場の状況に応じて柔軟に対応できるのが私たちの強みです。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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