株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
株式会社セールスエンジ

Vol.64 上部散水槽が破損すると冷却効率が低下!FRP補修でコスト削減

こんにちは、今回は「冷却塔の上部散水槽が割れて水温が下がらない」というご相談事例をご紹介します。

冷却塔(クーリングタワー)の散水槽は、冷却水を充填材にまんべんなく散水させるために欠かせない部分です。ここが破損すると散水不良が起こり、結果として冷却効果が下がり、水温上昇や電力コストの増加につながります。

お客様のお困り事

お客様からは、

  • 上部散水槽から水が漏れている
  • 修理できないか相談したい
  • 冷却水温が高く、電気代が上がっているので改善したい

というご相談をいただきました。

実際に現場を確認すると、上部散水槽に大きな亀裂があり、そこから水が漏れだしている状態でした。

調査の結果、冷却塔の上部に作業者が昇り、ベルト交換や清掃の際に散水槽に足を掛けてしまったことが原因でした。

上部散水槽はFRP(ガラス強化プラスチック)で作られていますが、人が乗ることを想定していないため、体重がかかると簡単に割れてしまいます。

上部散水槽が割れると、冷却水が「滝のよう」に流れ落ち、充填材に均一に散水されなくなります。その結果、空気に触れる表面積が減り、冷却効果が低下してしまいます。

上部散水槽が破損している状態での散水不良の動画

トラブル改善のご提案

冷却塔メーカーに相談すると「上部散水槽の新品交換」を勧められるケースが多いですが、

  • 部品代が高額
  • 機種によって配管を外す必要があり、工期も長い

といったデメリットがあります。

そこで弊社では、FRP補修による修繕をご提案しました。

上部散水槽FRP補修の流れ

1.補修面の下地処理

グラインダーで表面を荒らし、樹脂が密着しやすい状態にします。

2.ガラスクロスの貼り付け

FRP樹脂に硬化剤を混ぜ、ガラスクロスに浸透させながら破損部に貼り付けます。

3.硬化・仕上げ

しっかり硬化させることで強度を確保。破損部は目立たず、きれいに修復できました。

コーナー部の亀裂もキレイに補修できました。

動画で解説

YouTubeの動画では、上部散水槽が破損するとどうなるのかついて解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の散水槽は、FRP製のため経年劣化や誤った作業で破損しやすい部分です。

破損を放置すると、

  • 冷却水温の上昇
  • 電気代の増加
  • 生産設備の安定稼働への悪影響

といったトラブルにつながります。

ただし、FRPは補修が可能です。新品交換だけが解決策ではありません。「コストを抑えて修理だきないか?」とお悩みの際は、ぜひご相談ください。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本の製造業を支える!」をモットーに、冷却塔の水質管理やメンテナンスをしています。
このブログでは、冷却塔や水処理に役立つ情報を発信中!
「冷却塔が冷えない。流れない…」そんなときは、お気軽にご相談ください!
対応地域:九州北部エリア(福岡・熊本・佐賀・大分・長崎)

公式SNS