株式会社セールスエンジ

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Vol.67【水が冷えない原因はここ】丸形冷却塔の回転不良と交換工事

丸形冷却塔(クーリングタワー)の清掃を行った際に、各部の点検でスプリンクラー(散水装)の回転が遅いことに気がつきました。

スプリンクラーの回転が遅くなると、冷却水が充填材全体に均一に散水されません。その結果、冷却効率が落ち、「水が冷えない」というトラブルにつながります。

今回の現場では、スプリンクラーを支える回転軸受の摩耗が原因と判断し、お客様へ状況をご説明したうえで部品交換を行いました。

トラブルの原因|スプリンクラー軸受の摩耗

スプリンクラーの散水パイプを支える中央の軸受が摩耗し、シャフトが本来の位置から飛び出している状態でした。

原因を詳しく確認すると、冷却水を過剰濃縮で使用されており、その影響でスケール(水垢)が析出。
このスケールが軸受部に付着・堆積することで、摩耗が進行していました。

軸受が摩耗すると回転抵抗が増え、スプリンクラーがスムーズに回らなくなります。
その結果、散水不良が発生し、冷却能力の低下を招きます。

丸形冷却塔スプリンクラー交換工事の内容

今回スプリンクラー(散水装置)の交換を行ったのは、日立製の丸形冷却塔です。

設置から約13年が経過しており、部品交換としては適切なタイミングでした。

① 外部カバーの取り外し

まず、冷却塔上部の外部カバー(FRP製)を取り外します。

② スプリンクラー本体の取り外し

次に、散水パイプと一体になったスプリンクラー本体を取り外します。

長年使用されている場合、スケールや腐食により固着していることも多く、無理な力をかけず慎重に作業します。

③ ヘッダー(受け部)の取り外し

スプリンクラーを支えているヘッダー(受け部)を取り外します。

この部分が摩耗していると、スプリンクラーの芯がずれ、回転不良を引き起こします。

⚠ 注意点|逆ネジ(左ネジ)

機種によっては、スプリンクラーの固定ネジが逆ネジ(左ネジ)になっています。

これは、散水時の回転方向とは逆方向に外れる構造とすることで、運転中に緩まないようにするためです。

通常の感覚で回すと「締まる方向」になるため、事前に構造を理解していないと破損の原因になります。

④ヘッダー受けの新品交換

古いヘッダー受けを撤去後、塩ビ配管に新品のヘッダー受けを取り付けます。

ここでは、

  • 芯ズレがないか
  • 水平が取れているか
  • シール材の状態

を確認しながら、確実に固定します。この精度が悪いと、新品スプリンクラーでも回転不良を起こします。

⑤ スプリンクラーヘッドの取り付け

新品のスプリンクラーヘッドを取り付けます。回転軸がスムーズに動くかを手回しで確認し、抵抗や引っ掛かりがないことを確認します。

⑥ 試運転・回転確認

組み付け後、通水を行い、

  • スプリンクラーがスムーズに回転しているか
  • 散水ムラがないか
  • 異音や振動が出ていないか

を確認します。

今回は、回転数も安定し、充填材全体に均一な散水が確認できました。

取り外した部品の状態

撤去した部品を確認すると、

  • 軸受の摩耗
  • シャフトの突出
  • 回転抵抗の増大

がはっきり分かる状態でした。

清掃だけでは見落とされやすいですが、点検時に「回り方」を見ることが非常に重要だと分かる事例です。

まとめ

丸形冷却塔(クーリングタワー)では、

スプリンクラーの軸受摩耗による回転不良が、冷却能力低下の直接的な原因になります。

特に、

  • 設置から10年以上経過
  • 水質管理が不十分
  • スプリンクラーの回転確認をしていない

このような設備では、定期点検と部品交換が重要です。清掃とあわせて、「正常に回転しているか」まで確認することが、安定稼働につながります。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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