こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。
冷却塔(クーリングタワー)の配管が腐食するトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。
お客様からの相談内容
冷却塔(クーリングタワー)の上部散水槽が頻繁に詰まるので困っており、改善策はありませんか?とのご相談をいただきました。
現場の状況
上部散水槽の詰まりと聞いて、スライム(藻や雑菌)が繁殖したのかと思ったのですが、上部散水槽に詰まっているものを取り出すと、腐食したサビの屑でした。
配管が腐食しボロボロに剥がれてきて、上部散水槽につまり冷却水が散水されないことで、水温が上昇し設備が停止するトラブルが起きていました。
Youtubeでも冷却水配管が腐食する原因について解説していますので、ご視聴ください。
トラブルの原因
冷却塔の周辺は、配管やポンプ、架台などが錆で真っ赤になっており設備全体が腐食していました。周辺を見渡すと、近くに焼成炉から排気される煙突が設置してありました。
腐食の原因は、煙突からでる排気ガスに含まれるNox(窒素酸化物)の影響が疑われたました。
排気ガスを冷却塔(クーリングタワー)が吸込み、Noxが冷却水に溶けることで硝酸が生成されていました。その影響で、冷却水のpH(ペーハー)が低下し酸性となり、設備や配管を腐食させる原因となっていました。
酸性雨って、聞かれたことがあると思います。酸性雨は、排気ガスのNoxを含んだ雨のことをいいます。
工場などでは、設備から排気される煙突を冷却塔(クーリングタワー)の近くに設置されていることがよくあります。そのため、冷却塔が排ガスを吸い込んで、冷却水が酸性になっていることが良くあります。
熱処理設備の排気ガスが腐食の原因についてもYouTubeで解説しております。
トラブル改善のご提案
水処理薬剤を添加した場合の防食効果を調べるため、薬注装置のテスト機を貸出し効果を検証いたしました。
腐食の度合いを調べるために、鉄のプレートを用意しました。
水処理薬剤を添加する前に、冷却水に2週間浸食させました。そして、水処理薬剤を添加し同じように2週間浸食させました。
右が、水処理薬剤の添加前/左が、水処理薬剤の添加後
冷却塔や煙突の設置場所を変えることは難しいので、pHの低下を防ぐためブロー量を増やし水の入れ替えを多くしました。
定期的に水質分析をおこないpHが酸性化していないか水質管理をおこない腐食のトラブルを改善しました。
毎月、冷却塔の点検内容は、冷却塔点検報告書を作成させていただきメールでお送りしています。
当社が使用している点検表ペーパーレス化システムは、こちらになります→https://densica.com/

お客様の声
「冷却塔もよく冷えていて、炉や配管の腐食もおさまり、トラブルは激減しました。定期的に水も見てもらえるので管理をすべてお任せできて助かっています」
当社では、冷却水の腐食トラブルについて、改善のご提案を行っています。水処理薬剤の効果を検証するため、薬注装置のテスト機もご用意しております。テスト機で得た水質データをもとに、社内検討いただくことも可能です。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。
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