こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。
「冷却塔(クーリングタワー)の散水ノズルが頻繁に詰まるのですが、改善策はありますか?」
冷却塔(クーリングタワー)の構造上、散水ノズルは詰まりやすいと思われていたんです。
現場を見させていただくと・・・・事態はとても深刻でした。
散水ノズルの詰まりと聞いて、スライム(雑菌、藻)が繁殖したのかと思っていたのですが、詰まっているものを見ると、配管がボロボロに腐食して剥がれてきた破片が詰まってました。
しかも、散水ノズル以外に、循環水の大きな配管が詰まるくらい、大量の腐食片が、、、
これが原因で、冷却水が循環できずに、生産をストップすることが頻繁に起きてました。
原因は、腐食か。
水を管理されていない場合、腐食のトラブルはよくあります。
冷却水が過剰濃度して、水中の塩分(塩化物イオン)濃度が高くなっていたんだろうと思ったんです。
「それにしても、異常な腐食だなー。何かほかに原因があるんじゃないだろうか?」
設備はまだ新しく、短期間で配管がボロボロになるなんて、
外から衝撃を加えると、配管に穴が開きそうなくらいの腐食です。
まわりを見渡すと、冷却塔(クーリングタワー)の周辺設備がサビて赤茶けていて、近くには工場からでる煙突がありました。
あっ、これが原因だ!
設備から出る燃焼後の排ガス(NOx窒素酸化物)を冷却塔(クーリングタワー)が吸い込み、冷却水へと溶け込んでいました。
排ガス(NOx)は、水に溶けると硝酸が生成されます。
その影響で、冷却水のpHが低下し酸性となり、設備や配管を腐食させていました。
酸性雨って、聞かれたことがあるしょう!
酸性雨は、排気ガス(NOx窒素酸化物)を含んだ雨のことです。
工場では、設備からの排ガス煙突が冷却塔(クーリングタワー)のそばに設置されていることがよくあります。
排気ガスを吸い込んでいても、水は見た目ではわかりませんが、水質分析をすると水に溶けている物質がわかります。
冷却水は、通常、弱アルカリ性です。
中性の補給水と比べ、pHが低下している冷却水は、何か原因があります。
腐食の進行度は、わかりずらいので、鉄の腐食を調べる方法をご紹介します。
鉄のテストピースを用意して、冷却塔(クーリングタワー)の中か、冷却水ピットの水に2週間ほど浸けておきます。
酸性化したpH6以下の冷却水で試したら、2週間程度でも、これだけ腐食しました。
(左)腐食した鉄のプレート (右)新品の鉄のプレート
配管の切れ端などでも構いませんので、ご用意されて冷却水に浸けておいてください。
毎日観察していると、どれくらい腐食しているのか、良くわかりますよ。
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