冷却塔(クーリングタワー)清掃の完全ガイド|必要な理由から清掃後のトラブル防止まで
こんにちは、今回は「冷却塔はなぜ清掃が必要なのか?」そして「清掃後に起こりやすいトラブルとその防止策」についてまとめました。
冷却塔の清掃は単に汚れを落とすだけではなく、衛生面や設備の安定稼働に直結する大切な作業です。現場では、
水抜き → 高圧洗浄 → 汚泥回収 → 試運転
といった流れを基本とし、さらに破損防止や安全対策を徹底しながら進めています。
しかし、実は清掃後に思わぬトラブルが起きることもあります。この記事では、清掃の必要性や基本的な流れ、注意点に加えて、清掃後に起こりやすいトラブルと防止策を分かりやすく解説します。

冷却塔はなぜ清掃が必要?
冷却塔(クーリングタワー)は、工場やプラント設備で使われる循環水を冷やす重要な設備です。しかし、運転を続けると次のような問題が発生します。
- スケール付着:カルシウムやシリカなどが充填材に付着し、目詰まりを起こすことで風の通りが悪くなり、冷却効率が下がる
- スライム・藻類の繁殖:熱効率が下がり、レジオネラ菌の発生リスクにも
- 外気由来の塵や埃の堆積:冷却塔は外気を大量に取り込む構造のため、塵や埃が水槽や充填材に溜まりやすい
特に水温32~37℃は細菌が繁殖しやすく、衛生面でも注意が必要です。だからこそ冷却塔は、定期的な清掃と水質管理が欠かせないのです。
清掃の最適な時期と頻度
清掃は最低でも年1回、できれば年2回がおすすめです。
- シーズン前(4~6月):夏場に向けて効率を高める
- シーズン後(10~11月):汚れを取り除き、冬季の劣化を防ぐ
冷却塔の清掃に必要な道具と手順
清掃では次のような道具を使います。
- 高圧洗浄機(拡散ノズル推奨)
- デッキブラシ・ホウキ
- ステンレス製ザルやすくい網(排水口・汚泥回収用)
- ポリバケツ
- 土のう袋
- ゴム手袋・保護メガネ・安全帯などの安全装備
清掃の流れは以下の通りです。
- 冷却水の排水
- 排水口の養生(ゴミや充填材の破片を流出防止)
- 上部散水槽や冷却ファンの洗浄
- 充填材を高圧洗浄(破損注意)
- 下部水槽の汚泥回収
- ストレーナーの分解清掃
- 水を張り直して試運転
詳しい清掃方法や注意点は、無料PDF資料にまとめていますので、ダウンロードください。
清掃後に起こりやすいトラブルとは?
清掃した直後は安心しがちですが、実はここで問題が発生することもあります。
特にストレーナーの目詰まりです。
清掃時に剥がれ落ちたスケール屑や泥が流れ込み、冷却水の循環を妨げることがあります。高圧洗浄を使った場合は特に注意が必要です。
清掃後のトラブルを防ぐ方法
1.初期対応を徹底
- 清掃後にまずは30分間試運転
- 一度停止し、水を抜く
- 下部水槽とストレーナーを再清掃
- この流れを2~3回繰り返すことで、落ち切らなかったスケール屑や汚れを確実に除去できます
2.定期点検を慣習化
- 運転後しばらくはストレーナーや下部水槽をこまめに点検
3.もし詰まった場合の対応
- 循環ポンプを停止
- ストレーナーを外して清掃
- 下部水槽も確認・清掃
プロに任せるメリット
「自分で清掃して壊れたらどうしよう…」と心配される方も多いと思います。実際、充填材やFRP部分を破損させたり、大量に出てきた汚泥処理が難しかったりするケースもあります。
プロに任せることで、
- 破損リスクを避けられる
- 作業中の安全性も確保
- 汚泥処理や水質管理まで一括対応
- 清掃後のトラブルにも迅速対応
が可能になります。
当社セールスエンジでは、九州北部エリアを中心に豊富な清掃実績があり、「清掃後の安定稼働」まで責任もってサポートしています。
動画で解説
YouTubeの「冷却塔トラブ改善プロ®」チャンネルでは、
- 冷却塔清掃の流れ
- 使用する道具の説明
について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
無料PDFダウンロードのご案内
現場で使える「冷却塔清掃マニュアルPDF」を無料でご用意しています。
写真付きで分かりやすくまとめていますので、社内教育や点検時にぜひご活用ください。
関連サービスのご紹介
冷却塔の充填材に厚く固着したスケールでお困りの方には、当社独自の「充填材復活スケール清掃サービス」がおすすめです。薬剤は使用せず、高圧洗浄機による手洗いで、充填材を交換せずに復活させることが可能です。
冷却塔充填材の清掃は、環境省でもエネルギー消費量の削減効果として紹介されております。
まとめ
- 冷却塔清掃は安定稼働と衛生管理に必須
- 年1~2回の清掃が理想
- 清掃後はストレーナー詰まりに注意
- 初期対応を2~3回繰り返すことがポイント
- プロに任せれば、安心・安全・効率的に対応も可能
冷却塔の清掃をこれから予定されている方も、すでに清掃後の不具合に悩んでいる方も、今回のポイントを押さえることで安定運転につながります。
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