Vol.06「ボイラ薬剤(清缶剤)をコストダウンしたい」 プロの最適管理で薬剤使用量約50%削減!トラブルゼロ!
ボイラ薬剤のコストダウンについて、改善事例をご紹介いたします。
お客様からの相談内容
ボイラで使用している水処理薬剤(清缶剤)が値上がりしているため、使用量を削減したいとのご相談をいただきました。
現場の状況
ボイラの清缶剤を使用されており、定期的に水質分析をおこない管理されています。水質分析書を見ると水質管理基準も満たされており問題はありませんでした。さらに、数カ月間の水質データを見ると、基準値がpH11.0~11.8の範囲に対し11.6前後で管理されていることがわかりました。
電気伝導率は、ボイラ缶水の水質管理基準値の上限値400mS/mに対し、200mS/m前後と濃縮が低い状態でした。ボイラ薬剤の注入方法は、給水ポンプと連動して薬注ポンプが作動し薬剤を注入する方法でした。
ボイラ薬剤使用量の削減方法
濃縮が水質基準値の上限値400mS/mに対し余裕があるため、ボイラ缶水の濃縮を1.5倍程度まで上げることをご提案しました。濃縮を上がるためにボイラの連続ブロー率を8%から6%に下げることで水の入れ替わりが減り濃縮が300mS/m程度まで上昇させました。そのことで、水の入れ替わりが減り、給水に比例し添加されていた薬剤の注入量が減りました。
濃縮が高くなったことで、pHの値が11.8まで高くなりましたので、11.2程度まで下げるために薬剤の添加量を減らしていきました。
一週間間隔で、水質分析を行い水質の状態を確認しながら、薬注ポンプの注入設定を少しずつ下げ、1ヶ月ほど時間をかけて薬剤の使用量を限界まで削減していきました。
YouTubeでもボイラ薬剤のコストダウン方法について解説していますので、ご視聴ください。
薬剤コスト削減の効果
濃縮率の改善と、薬剤の注入量を削減したことで、結果、ボイラ薬剤の使用量が約40%~50%まで削減することができました。
給水量が減ったことで、燃料費の削減と給水量の削減にもつながりました。さらに、給水量の削減ができたことで軟水装置のイオン交換樹脂の再生が減り、ボイラ塩の削減もできました。
お客様の声
「ボイラ薬剤のコストが上昇していたのですが、使用量が減ったことでトータルコストが大幅に削減でき十分すぎるほど満足しています」
当社では、冷却塔が専門ですがボイラ水の水質管理による薬剤コスト改善のご提案を行っています。ボイラ薬剤の最適化を検証するため、薬注装置のテスト機もご用意しております。テスト機で得た水質データをもとに、社内検討いただくことも可能です。ボイラ水のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。