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プロの目から見た!水冷式チラー装置の水処理の重要性と対策

水冷式チラー装置は産業用途で広く使用される冷却装置であり、冷却塔(クーリングタワー)と連動して動作し、冷却水を使用して凝縮器(コンデンサー)を冷やします。このプロセスにおいて、冷却水の品質管理が極めて重要です。適切な水処理が行われないと、冷却効率が低下し、装置のトラブルが引き起こる可能性があります。

水冷式チラー装置の冷却水の重要性とは?

水冷式チラー装置では、冷却水が冷却効率に直接影響を与えます。不適切な水処理が行われると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  1. 冷媒ガスの冷却不足:冷却水の汚染やスケールの形成により、冷却能力が低下し、冷媒ガスの冷却が効率的でなくなることがあります。これにより、高圧カット現象が引き起こされ、装置の性能が低下します。
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  2. 冷水側の問題:冷水系統では、冷水の水質管理が重要です。凍結や熱交換器の破損を防ぐために、水質の清潔さと流量の確保が求められます。

水冷式チラー装置の冷却水と冷水側の水質管理にはどのような注意が必要か?

冷却水側の管理

冷却塔(クーリングタワー)に接続された冷却水側では、次の点に注意する必要があります。

  1. スケールや異物の防止:冷却水中のスケールや異物の堆積を防ぐために、適切な水質管理を行います。定期的な清掃や適切な化学処理が必要です。
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  2. 腐食防止:金属部品の腐食を防ぐために、腐食剤の添加が必要です。

冷水側の管理

冷水側では、次の対策が効果的です。

  1. 水質の維持:冷水の水質を維持するために、ストレーナーやフィルターを定期的に清掃し、水中の異物を除去します。
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  2. 流量の確保:一定の水流量を確保することで、低温異常を防ぎます。流量の低下は装置の冷却能力に影響を与えるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

不適切な冷却水管理がもたらす問題

冷却水の適切な管理が怠られると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  1. 性能低下:冷却水の汚染やスケールの堆積により、装置の冷却能力が低下し、冷却効率が悪化します。
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  2. 設備の故障:高圧カットや冷水側の異常により、装置が停止するリスクが高まります。

まとめ

水冷式チラー装置の正常な運転と性能維持には、適切な水処理と定期的なメンテナンスが欠かせません。冷却水と冷水側の両方で水質管理を行い、装置の長寿命化と安定した運転を実現しましょう。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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