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密閉式冷却塔のエア抜き手順と重要性を徹底解説

密閉式冷却塔のエア抜き手順とその重要性について

密閉式冷却塔(クーリングタワー)で必要なエア抜き手順と、その重要性について詳しく説明します。

密閉式冷却塔とは

密閉式冷却塔は、冷却水が外部と接触しないように密閉された状態で循環する冷却システムです。このシステムは、以下のような特長があります。

  1. スケール障害の防止:密閉された環境で水が循環するため、スケールや汚染物質の混入を防ぎます。
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  2. 効率的な冷却:内部のパイプを通じて冷却水が設備に接触することで、効率的に冷却を行います。
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  3. メンテナンスの容易さ:外部からの汚染が少ないため、定期的なメンテナンスが容易になります。

エア抜きの重要性

冷却塔の運転開始時には、配管内のエアをしっかりと抜くことが非常に重要です。エアが残っていると、以下のような問題が発生します。

  1. 冷却効率の低下:配管内にエアが溜まっていると、その部分には冷却水が流れません。結果として、冷却効率が大幅に低下します。
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  2. トラブルの発生:エアが溜まっている状態で運転を続けると、冷却システム全体に負荷がかかり、故障の原因になることがあります。

エア抜きの手順

エア抜きは簡単な手順で行うことができますが、確実に実施することが重要です。以下はエア抜きの基本的な手順です。

  1. エア抜きバルブの確認:冷却塔内のエア抜きバルブを確認します。バルブの位置は冷却塔の設計により異なるため、取扱説明書などを参考にしてください。
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  2. エア抜きバルブを開ける:バルブをゆっくりと開け、配管内のエアを排出します。このとき、急に開けると水が飛び出すことがあるため注意が必要です。
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  3. 水の確認:エアが完全に抜けると、水がバルブから出てきます。これを確認することで、エア抜きが完了したことを確認します。

エア抜きを正しく行うことで、冷却水の流れがスムーズになり、システム全体の効率が向上します。また、定期的なエア抜きは冷却塔の寿命を延ばすことにもつながります。

動画で解説

YouTubeの動画では、密閉式冷却塔のエア抜きについて解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

密閉式冷却塔のエア抜きは、冷却システムの効率と寿命を保つために不可欠な作業です。エアが配管内に残っていると、冷却効率の低下やトラブルの原因となるため、運転開始時には必ずエア抜きを行う必要があります。エア抜きの手順はシンプルですが、確実に行うことで冷却水の流れをスムーズにし、冷却水系全体のパフォーマンスを向上させることができます。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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