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ブロー排水のリン対策!無リン酸薬剤で環境もコストも守る方法とは?

リンを含まない冷却塔用薬剤の代替品について

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。「冷却塔で使用している薬剤でリンを含まない代替品はありますか?」というご質問をいただきました。この記事では、この質問にお答えし、リンを含まない冷却水処理剤の選択肢について説明いたします。

リン酸を含む薬剤とその役割

まず、冷却水のスケール防止剤として一般的に使用されているリン酸について説明します。リン酸は、以下のような薬剤に含まれています。

  • 有機リン化合物:成分 ホスホン酸塩
    .
  • 低分子量ポリマ:成分 カルボン酸ポリマー

これらの薬剤はスケール防止効果が高く、冷却水やボイラ水で広く使用されています。

無リン酸タイプの薬剤

一方で、無リン酸タイプの冷却水処理剤も存在します。ただし、スケール防止効果はリン酸を含む薬剤に比べて低いため、注入量を増やす必要があります。また、コスト的には3〜5倍かかることがあります。

排水基準と環境への配慮

排水基準に関しては、水質汚濁防止法により、リン含有量が1Lにつき16mg(日間平均8mg)と規制されています。リンを含む排水は、富栄養化によるプランクトンの異常発生の原因となるため、適切な管理が必要です。

排水基準とリンの影響

日本では水質汚濁防止法に基づき、排水中のリン含有量について厳しい基準が設けられています。具体的には、リン含有量は1リットルあたり16mg/L、日間平均で8mg/Lを超えてはいけません。この基準は、水環境を保護し、富栄養化による水質悪化を防ぐために設定されています。

富栄養化とは、水中に栄養分(特に窒素やリン)が過剰に供給されることで、藻類やプランクトンが異常に繁殖し、水質が悪化する現象です。これにより、酸素不足や悪臭の発生、水生生物への悪影響などが引き起こされます。

適正な水質管理の重要性

きちんと水質管理を行えば、ホスホン酸塩は冷却水で希釈され、リン含有量1〜2mg/L程度で排水されます。しかし、適正な水質管理を行わないと、薬剤の過剰注入などで排水基準を超える可能性があります。

環境問題とコストのバランス

環境問題とコスト低減の間での選択は難しいですが、どちらも重要な課題です。適切な対応を行うことで、環境への影響を最小限に抑えつつ、コストのバランスを取ることが求められます。

まとめ

リンを含む冷却塔用薬剤の代替品として無リン酸タイプの薬剤がありますが、その使用にはコストと効果のバランスを考慮する必要があります。適切な水質管理を行うことで、環境への影響を最小限に抑え、法的な排水基準を遵守することが可能です。冷却塔の運用においては、環境保護とコスト管理の両立を目指し、最適な薬剤と管理方法を選択することが重要です。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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