Vol.56 熱処理工程における冷却水トラブルの改善事例
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、熱処理工程における冷却水トラブルの改善事例についてお話しします。
概要
工場の熱処理工程では、高温の製品や装置を効率的に冷却するために冷却水が使用されます。しかし、冷却水トラブルが発生すると、生産性の低下や装置の故障リスクが高まるため、早急な対応が必要です。今回は、ある製造工場で発生したトラブル事例をご紹介し、その解決方法と結果について解説します。
お客様のお困り事
九州瑞穂株式会社大分工場様では、以下の問題を抱えられていました。
- 水処理薬剤の効果が感じられない
冷却水に水処理薬剤を添加していましたが、効果が感じられず、コストだけがかかる状況でした。 -
冷却効率の低下
熱交換器内部にスケールが付着し、冷却効率や水量が大幅に低下。この影響で、熱処理工程の温度管理が困難になっていました。 -
配管の腐食
冷却水の化学成分が適切に管理されておらず、配管内で腐食が進行。このままでは配管漏れや設備停止のリスクが高まる状況でした。
トラブル改善のご提案
設備構成や水質を調査し、トラブルの元となる原因を調査しました。
- 水質分析の実施
冷却水の水質分析を徹底的に実施。その結果、スケールの主成分がカルシウムであり、腐食の原因が高い塩素濃度であることを特定しました。 - 水処理薬剤の見直し
スケール防止剤と防食剤を適切に投入し、適切な電気伝導率の管理など冷却水の状態を改善しました。また、冷却塔の清掃を行い、堆積していた汚泥を取り除いて配管やストレーナーの閉塞を防止しました。 - 定期的なメンテナンス計画の策定
冷却水の定期的な水質モニタリングと設備点検をスケジュール化し、トラブルの予防に努めました。
結果
- 冷却効率が改善し、熱処理工程の安定稼働を実現。
- 配管の腐食が抑制され、設備の寿命が延びました。
- 生産性が向上し、製造コストの削減にも成功しました。
お客様のインタビュー動画
お客様のインタビューは、以下のYouTube動画でご視聴いただけます。ぜひご覧ください。
まとめ
冷却水トラブルの発生は、生産現場に大きな影響を及ぼします。しかし、適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。今回の事例を参考に、冷却水の管理の重要性を再認識していただければ幸いです。
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ご一読くださりありがとうございました。