冷却塔のVベルト点検を怠ると大変なことに!安全な日常点検方法とは?
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔のVベルトの日常点検方法について解説します。
冷却塔のVベルトはファンの駆動に欠かせませんが、点検を怠ると生産停止など大きなトラブルを引き起こす可能性があります。そこで、安全かつ効果的な点検方法を紹介します。
Vベルトの役割と重要性
冷却塔のファンを回転させるためには、モーターとファンをつなぐVベルトが必要です。Vベルトは使用するうちに摩耗し、劣化するため、定期的な点検と交換が欠かせません。
もしVベルトが切れると
- 冷却塔のファンが停止
- 冷却水の温度が上昇
- 設備の冷却ができず、生産ラインが停止する可能性
こうした重大なトラブルを防ぐために、Vベルトの状態を日常的に点検することが重要です。
Vベルト点検の課題
しかし、Vベルトの点検にはいくつかの課題があります。
- 冷却塔の上部に設置されているため、点検が困難
- 運転中に点検すると、巻き込まれるリスクがあり危険
- 定期点検を怠ると、気づかないうちに劣化が進行する
このような理由から、点検が十分に行われていない工場も多いのが現状です。
安全で効果的なVベルトの点検方法
では、どうすれば安全かつ簡単にVベルトの状態を確認できるのでしょうか。
あるお客様の事例では、以下の方法で効果的に異常を検知できることがわかりました。
電流値(アンペア)の監視で異常を発見
- 正常時のモーター電流値を記録しておく
- 日々の電流値を監視し、値が下がったらVベルトのスリップを疑う
- スリップしている場合は、Vベルトの張りを調整、または交換する
この方法なら、冷却塔の上に登らずにVベルトの状態を確認できます。電流値の計測は、電流計(アンペアメータ)が制御盤についていない場合、クランプメータで電流値は計測できます。ケーブルをクランプするだけで測れますので便利です。
Vベルトの交換時期の目安
Vベルトは消耗品なので、定期的な交換が必要です。
- 推奨交換サイクルは1年に1回
- 2〜3年持つこともあるが、突然切れるリスクを考えると1年ごとの交換が安全
- メーカー推奨の交換周期にも準拠
- 特に冬場に「キュルキュル」と異音がする場合は要注意
異音が発生した場合は、すぐにVベルトの状態を確認し、張りの調整や交換を行いましょう。
動画で解説
YouTubeの動画では、冷却塔のVベルトの日常点検方法と電流値を活用した安全なチェック方法について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。
まとめ
- 冷却塔のVベルトは定期的な交換が必須
- 電流値(アンペア)を日常点検に活用すれば、安全に異常を検知可能
- 1年に1回の交換でトラブルを最小限に抑える
- 異音がする場合は早めの点検が必要
冷却塔のトラブルを防ぐために、日常点検を徹底し、安全で安定した運用を心がけましょう。
ご一読くださりありがとうございました。