Vol.18「清掃してもすぐに汚れがひどくなる」 プロ清掃と水質管理でトラブル改善!
冷却塔の汚れがひどいトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。
お客様からの相談内容
冷却塔(クーリングタワー)の汚れがひどく2ヶ月ごとに清掃が必要で困っており、清掃回数を減らせないかとのご相談をいただきました。
現場の状況
密閉式の冷却塔をご使用されていて、汚れがひどく水が冷えなくなるトラブルが多いので、2ヶ月ごとに清掃をされていました。頻繁に清掃をされているのに下部水槽には、汚泥が堆積していました。
なぜ、こんなにも汚れが出てくるのか?
冷却塔の充填材を外して調査をすると、密閉系統の配管が腐食でボロボロの状態でした。
清掃業者に依頼されていたにも関わらず、充填材には、スケールが付着しており、表面だけしか清掃をされていなかったようです。
冷却塔の清掃は、業者によってやり方が様々です。金額も清掃の仕方によって高い安いがあります。見積もりなどを依頼される際には、充填材もしっかりと洗ってもらえるかを確認されることをお勧めいたします。
YouTubeでも冷却塔の清掃業者によってやり方の違いについて解説していますので、ご視聴ください。
トラブルの原因
冷却塔の汚れがひどい原因を調べるために、冷却水をサンプリングし水質分析に出しました。数日後、分析結果を見ると、原因が判明しました。
水質分析書では、水に含まれる硝酸イオンの濃度が異常に高い状態でした。
こちらの冷却塔が設置された場所は、片側3車線ある国道沿いにあり車の交通量が多いところにありました。腐食の原因は、車の排気ガスに含まれるNox(窒素酸化物)が影響していることが判明しました。Nox(窒素酸化物)は、水に溶けると硝酸が生成されます。硝酸イオンの濃度が高くなり腐食を起こしていました。冷却塔の汚れが多い原因も、車が通る時に舞い上がる埃や排気ガスが影響しているようでした。
Nox(窒素酸化物)による腐食については、こちらのブログに詳しく書いています。→こちら
トラブル改善のご提案
まずは、冷却塔の清掃をを行い汚れを落とすことにしました。
当社では、冷却塔(クーリングタワー)の清掃は冷却能力を回復させるために行うものと考えています。外観だけを清掃するのではなく、充填材の汚れを落とすことで風の通りをよくし冷却効果を高める清掃を行っています。
まず、冷却塔のルーバーを取り外します。
ルーバーを外すと冷却塔の充填材の外側、一列を取り外しました。
ルーバーや外側の充填材を外すことで、充填材の奥まで洗浄することができます。恐らく、一度も充填材の清掃は、されていない様子でした。スケールで充填材が目詰まりしています。
充填材の奥に溜まっていたスケールの屑です。土のう3袋、大量に出てきました。
冷却塔(クーリングタワー)の充填材もきれいになり、風の通りも良くなりました。風切り音が清掃前とは、まったく違います。
腐食を防止するために、薬注装置を設置し、防食効果が高くスケールにも効く水処理薬剤を添加するご提案をいたしました。
汚れは、水の入れ替えが少ないことが原因でしたので、簡易的にブローできる仕組みを作り排水させることにしました。
お客様とは、冷却塔水質安心プラン(保守メンテナンス契約)をご契約いただきました。
水質管理は、お客様に保全担当者様がいらっしゃいましたので、ご自身で管理されるようにしました。水質管理方法をマニュアル化しお客様にご提供し、ご自身で管理を行っていただきます。毎月、冷却水を送ってもらい水質分析し、水質を見て管理のアドバイスを行っています。
お客様が点検をされることで水質管理コストを抑えることができます。何かトラブルが起きたときには、当社が迅速に対応するようにしております。
点検か行われた結果をもとに、冷却塔点検報告書を作成させていただきメールで返信しています。
当社が使用している点検表ペーパーレス化システムは、こちらになります→https://densica.com/
お客様の声
「冷却塔の汚れがひどく、清掃コストが掛かり過ぎて困っていましたが、水処理薬剤を導入後はトラブルが無くなり、点検もマニュアルに沿って実施する事でコストも抑えていただき助かっています」
当社では、冷却塔の腐食のトラブルについて、改善のご提案を行っています。防食剤の効果を検証するため、薬注装置のテスト機もご用意しております。テスト機で得た水質データをもとに、社内検討いただくことも可能です。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。